"Loop up Sendai"

「るーぷあっぷ・せんだい」

七夕の糸で街を結ぶ
2004/6/22

TANABATA.org 2004「再生」展

2004/8/4-8(一部7/7-)
サンモール一番町、いろは・文化横丁
東北大学片平キャンパス、東北工業大学一番町ロビー
せんだいメディアテーク、野中神社ギャラリー


制作意図
 私は昨年来つづけている、毛糸をさまざまな場所に結ぶインスタレーションを展示します。通りや建物に結ばれる色とりどりの毛糸は、たなばたの糸にちなんだものであるとともに、空にかけられた虹の橋、そして天の川そのものでもあります。
 この作品は、ひとつには、あるもの(ここでは毛糸)を日常的な使用法とはまったくちがった使い方で、また普段置かれないような場所に置くことで、新しく生まれる、あるいは新たに認識しなおされる視線の存在を認識し、体験する、というものです。それはまた毛糸や、そこから連想されるさまざまなことがら、それが置かれる場所について、見る者がどのようなイメージをもち、もたされているかということの認識でもあります(そうしたことがらについての「アンケート調査」を展示作品の一部として行うことで、作品の間接的な説明にするとともに、鑑賞者のより能動的な参加をうながしたいと思います)。
 そしてまたこの作品は、ひとびとの「願い」に端を発しているようなある種の比喩表現(「ひとびとの心を結びたい」)や、コンセプチュアル・アートに見られるような、不可能であったり、無意味であったりするような行為の提示(たとえばオノ・ヨーコの「グレープフルーツ・ジュース」に見られる「雲を数えなさい」や、そこから触発されて生まれたというジョン・レノンの「イマジン」の歌詞に見られるような)を、実際にやってしまうという、パフォーマティブで、「引用」的な取り組みでもあります。

展示方法
 基本的にその場にあるものに毛糸を結ぶ、という方法をとり、その場にない新しい支持体は極力持ち込まないようにします。また、展示は(可能であれば)日ごとに変更されていきます。

 

作品設置場所一覧

1.サンモール商店街アーケード柱〜片平キャンパスにいたる通り
TOMOD'S2階〜野中神社〜南町通り〜片平キャンパスをつなぐ
毛糸の歌CD「SATOKO」をアーケードのスピーカーから流してもらう
野中神社では毛糸を結んでもらったり、「荷札」に願いを書いて結んでもらったりする
アーケード柱に、「アンケート調査カード」と「毛糸をたどってくださいカード」をはる

2.サンモール商店街・いろは横丁店舗
@エコーASHIPSBTOMOD'S2FC金港堂Dヤマハ他、希望を募るなどする

3.片平キャンパス北門〜旧標本館〜多元研中庭をつなぐ
中庭は夜、ほのかなライティングをしたい

4.宮城県美術館 中庭、北庭、エントランスホールなどで使えるところ

カード:毛糸の展示写真と文章入りのカード(アートお土産)

アンケート:「毛糸」「虹」「橋」からイメージすることを書いてもらう調査

 

アンケート調査カード
 毛糸や虹など、展示作品に関連性のある言葉について、どのような個人的なイメージをもっているか、また母国語にはどのようなイメージが含まれていると思うかというアンケートを行いたいと思います。アンケートはカード大の用紙に印刷され、ビニールに入れられてアーケードの柱など展示場所に置かれ、記入後はそれも展示物のひとつになり、それらを読むことで生まれる新たな視線は、作品をより深いものにしていくことでしょう。
  また、展示期間中に行われるこのアンケートとは別に、事前により詳細な説明とともにアンケートを、日本人および外国人について行う予定です。どのような回答がよせられるかによって、それらの使い方を考えたいと思っていますが、たとえばそれらを「回答例」としてあらかじめ提示(展示)しておくことなどを考えています。

質問
1.毛糸について、そこからあなたはどんなことを連想しますか。また、日本語にはどんな意味がふくまれていると思いますか。
2.虹について、そこからあなたはどんなことを連想しますか。また、日本語にはどんな意味がふくまれていると思いますか。
3.橋について、そこからあなたはどんなことを連想しますか。また、日本語にはどんな意味がふくまれていると思いますか。
ほかに「たなばたとは何ですか」「願いと祈りのちがいは何でしょう」など

 

 

展示プラン詳細

 

1.サンモール商店街アーケード柱〜片平キャンパス

TOMOD'S2階・旧丸善前〜ヤマハ前〜野中神社(縁結び)〜南町通り〜片平キャンパスと毛糸をつなぐ。
それが片平キャンパスへの導線にもなる。ところどころに、毛糸をたどるようカード大の「指示」をはる。
毛糸の展示のもとになったCD「SATOKO」を、期間中、ときおりながれる「七夕音頭」や「青葉城恋歌」の間にまぜて流せないか。


↑TOMOD'S前イメージ

野中神社
野中神社では、訪れた人に毛糸を結んでもらうか、荷札に書いた願いごとを毛糸に結んでもらうかする。

 

 

↑サンモールから片平キャンパスにいたる並木への毛糸設置イメージ。 南町通り〜五橋通りまではすべてをつなぐということにはこだわらず、あちらこちらで数本に毛糸が結ばれている、という感じで。五橋通りから片平キャンパスまではひとつにつなぐ。

「たどってください」といったカードをあちらこちらにはり、片平キャンパス方面へと導く。

 

2.サンモール商店街、いろは横丁店舗

@エコーASHIPSBTOMOD'S2FC金港堂DヤマハEデ・スティル・コーフィーなど、毛糸を見上げる空間(階段や天窓など)をもつ店舗を中心に、展示協力を求める。 毛糸の色、設置時期など店舗の希望にあわせる。 展示付近にカードをはるなどして作品であることをそれとなくわかるようにする。

 


↑エコー(階段)


↑金港堂(階段)


↑SHIPS

 

3.片平キャンパス 北門〜旧標本館〜多元研中庭へと毛糸を結び、導線とする。

旧標本館から多元研中庭へと毛糸をつなぐ(高さの確保)。多元研研究棟、工場棟より中庭に向けてなるべくたくさんの毛糸を結ぶ。会期中に訪れた人にも手伝ってもらい、増やしていくなどしたい。


↑旧標本室(右下)より多元研(左上)をのぞむ

 

 

 

 


↑旧標本館正面玄関

 

旧標本館は、昭和2年築の建物を昨年から今年にかけて「再生」したものであり、今回のテーマともかかわりが深い。できれば正面玄関内の二階手すりなどにも毛糸を結びたい。

 


↑多元研(手前)より旧標本室(左上)をのぞむ

 


↑多元研中庭

多元研中庭は、サンモール・野中神社からつづく毛糸の終着点であり、私はここを自分の展示のメイン会場と位置付けている。

中庭にあるテーブルには、CDプレーヤー(電源:電池)を置き、毛糸のもとになった曲「SATOKO」が試聴できるようにする。また、アンケート調査を行う。

展示はたえずいろいろな要因によって変化していく(私や訪れた人が毛糸を増やしたり、風や雨などで展示の様子が変わっていったり)。

夜、懐中電灯を大型の紙コップに入れた即席の「あかり」をともしたい。10から20ほど用意し、朝まで放置する(電池の切れるまであかりを楽しめる)。安価な材料なので、雨天や盗難には備えない。

 

 

(1)美術館北庭

 

4.宮城県美術館回廊
いくつかのプランを用意してみました。

 

池の柵から滝に向けて、毛糸を結ぶ。天の川、虹の橋ができあがる。池に毛糸がうつりこみ、その下をこいがおよぐ。

 

 

アリスの庭への入口

第二駐車場方面から

 

(2)美術館エントランスホール

 

 

(3)美術館中庭の柱へ、屋上からたくさんの毛糸を結ぶ。

 

 

夜、懐中電灯と大型の紙コップを組み合わせた即席の「あかり」でライティングを楽しむ。

 

 

7/15作成のプラン
fourth plan

6/8作成のプラン
third plan

6/1作成のプラン
second plan

5/18時点でのプラン
first plan

つなぐこと 結ぶこと
yarn project

SATOKO

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関連リンク

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仙台七夕まつり

片平キャンパス近代建築トラストファンド

片平たてもの応援団

るーぷる仙台

宮城県美術館

サンモール一番町