Art Land "Mizunomori", Sendai

アートランド水の森

秋の散策路

2003/11/7
水の森公園(仙台市青葉区)


水の森公園は、私のアトリエから歩いて1分のところにあって、広さは103ha。仙台市の中心部から数キロの場所にあり、周りを団地に囲まれている(けれど一周すると3キロ以上あって、囲まれているようにはゼンゼン見えない)。探鳥会や自然とふれあう教室が行われたり、最近はキャンプ場までできたりして、まさに町の中にある森である。

 

うっそうとした森へ入る入り口で、毛糸を木に巻きつけてみる。まだ午後の早い時間だというのに、すでに差し込む日ざしは長い影をつくりはじめている。

毛糸をいろいろなところで結ぶプロジェクトをして、これまであまり気にかけていなかった、あるいはやっかいもの扱いしていた電線が、とても親しみのあるものに感じられてくる。
右は団地に囲まれた公園らしく、その上をわたる高圧線。ラインが美しい。

 

 

茶色の葉にまじって、落ちたばかりの黄色い葉が目につく緑道。たちどまって、落葉を並べてみる。並べていると、散歩途中の年配のご夫婦が通りかかり、「何をしているのですか」とたずねてくる。「アート作品を」と、すごくわかりやすくこたえる。「きれいですね」
団地の中にある公園だけあって、平日の昼日中だというのに、ひとところに立ち止まっていると、二、三十分に一組は散策する人に出会う。そして出会う人はみな、あいさつをかわす。そんななごやかな場所。

 

これをいくつか並べてみたらどうだろう。円だけでなく、さまざまなかたちや線で。しかし決して騒がしくてはならない。

 

 

 

 

 

明治から昭和初期にかけて氷室のあった場所だという。近くにある堤にはった氷を切り出し、ここに貯蔵して、病院や氷店へ運んだのだそうだ。

 

氷室を過ぎてしばらくくだると、堤のはじの、すこしどろどろしたところに出る。丸木で「橋」がわたしてある。近くに降り積もるかえでの葉を敷きつめてみる。

 

 

かにの大群か何かのよう。

 

すこし坂をのぼると、ほおの木の葉がたくさん落ちている。足跡状に並べてみる。「葉っぱの足跡」

 

 

ほそ道の路肩に、申し訳程度のロープがはってある。そこでいっしょに毛糸もはってみる。これをやっていると、年配の男性が「何か調べているのですか」と声をかけてくる。また「アート作品をつくって撮影しているところです」とこたえる。「ああ、そうなんですか」

 

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