仙台藩の主な宿場

 

Lifetown Art Tour 1st TRIP 参加作品
produced by "GROUND"

伝馬ゲーム
Tenma Game
9/7 仙台クリスロード商店街

 

 

 


伝馬ゲーム
〜かくれんぼアート(※1)のための企画

門脇篤 

 「かくれんぼアート」開催会場である仙台クリスロード商店街は、伊達家仙台藩の時代には新伝馬町(しんてんまち)と呼ばれ、国分町、北材木町、北目町と共に四伝馬町の一つとして、毎月二六日から晦日までを担当、伝馬十匹が置かれていました。そして近年、仙台市では古い町名や通りの名前が「復活」し、辻標が新たに立てられるなどしており、クリスロードにも「《新伝馬町》通り」という辻標が立てられています(ここで「天馬」とは、公用をこなすために宿場(宿駅)で馬を乗り継ぐ馬のことで、江戸時代、徳川家によって各地にこの制度が協力に敷かれていったものです)。
 こうした場所性をふまえ、私はこの商店街を「街道」に見立ててみることにしました。アーケード街には21の植木が点在していますが、これはいわば宿場です。私はそのいくつかに、分散させて、10体ほどの体長15センチほどのねんど製の馬を置こうと思います。そこはタイル張りされたアーケードの床の中で、唯一土を目にする空間でもあり、これ以上に旅の疲れを癒す場所、馬がつながれるにふさわしい場所はありません。
 訪れた人はまずこの「伝馬」をさがすことで、「かくれんぼアート」のゲームの目的のひとつを果たします。そしてその上で、この見つけた馬に、何かがくくりつけられているのを発見するでしょう。そこには「私を隣の植木まで運んでください」と書かれています。ここで訪れた人はその気になれば、それにさわり、移動させるという行為を行うことで、第二のアートに参加するとともに、この地でかつて行われていた「伝馬制」を再現することになるのです。
 あるいは訪れた人の行動は、私のこうした予想を大きくはずれたものになるかもしれません。しかし私はそれこそがおもしろいと思います。「伝馬制」のおもしろいところは、運ばれる公用の荷物が、目的地に着くまでの間、同じ人間や馬によって運ばれるのではなく、宿場ごとに人馬が交替して運ばれていくことです。それはまるで「伝言ゲーム」を思わせます。そしてご承知のように、「伝言ゲーム」の中では何かが失われ、それと同時に思っても見なかった新しい要素がつけ加わる、それがおもしろさのポイントなのです(また、同時に失われる要素は「かくれんぼ」を思わせます)。それは伝達のネットワークのとても原初的なかたちであり、それも「お上」の何か「大事な用」に使われるものであり、古来から神の「乗り物」とされて来た馬という存在ともあいまって、その内容の抽象性や、あるいは空虚さのようなものにまで思いは至ります。 そうした意味で、この歴史的「制度」、会場である場所性と結びついたそれを援用することで、いったいどんなものが立ち現れるのかに注目していきたいと思います。
 このアーケードが、今のように新しくなったおり、床面のタイルは広瀬川の「流れ」をイメージしたと聞いています。この企画が、新伝馬町という歴史と場所、そして今ここにあるというそれらとを結びつけ、ひとつの流れとなって動いていくような、そんなものになればと思っています。

※1 "Lifetown Art Tour"は私が依頼を受けた当初にはこの名前とコンセプトで進められており、それが変更になったのを私が知ったのは、開催日当日になってからだった。

 

「伝馬」イメージ(はにわを参考に。プリミティブで、素朴なものを。素材はテラコッタか何か。こどもに作らせてもいいかもしれない)

 

植木の下に「伝馬」を置いたイメージ。唯一土のある丸い空間は馬を置くにふさわしい

 

 

 

 

展示までに考えたこと

展示のようす

 

GROUND

仙台クリスロード商店街

 

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