2006年夏、埼玉県川口市に誕生するという大規模集合住宅施設「リボンシティ
レジデンス」。サッポロビール埼玉工場だったというこの地には、868世帯およそ2500人の新市民が暮らすそうです。その再生(RE・BORN)を記念し、新しい街にふさわしいアート作品をと公募されるのが《リボンシティレジデンス》アート・コンペティションで、模型による1次審査で10点が選ばれ、さらに2次審査で3点が優秀作品として、実物制作を依頼され、「リボンシティ
レジデンス」の敷地内に恒久的に設置、展示されます。
「これまでにない新しいタイプの大規模集合住宅施設」にふさわしく、これまでにない新しいタイプのモニュメントを考えてみました。
結果は1次審査も通りませんでした。
作品タイトル: RE・BORN CLOUD(再生する雲)
作品素材: ビニール、石、ひも
作品説明:
かつてそこにあり、これからもそこにありつづけるもの。街の記憶・未来を見つめつづけるものとして私は雲を考えました。ビールの泡にも似たそれはまた、変化自在、消えては現われ、現われては消える存在です。そこから私はこの新しい街に、旧来にはなかった新しいモニュメントの形を提案したいと思います。それはモノとして永久に残るのではなく、いつでも再制作(RE・BORN)可能という意味での永久性をもった記念碑です。
追加補足説明:
作品にはプラスティックのケースは含まれていません。ビニール製の雲、ひも、石のみになります。設置場所に応じて、つり具や石の台座など用意します。
模型では雲はビニールを糸で縫いあわせ、中に綿をつめていますが、実物制作は模型や設計図などの指示をもとに、バルーン製作会社に発注します。ビニールの接着部分は、アドバルーンや浮き輪のように目立たなくなり、中に空気を入れてふくらませます。
規定サイズ内だと天井からつるかたちになりますが、3メートル以上のものがつくれるようなら、ヘリウムガスを入れて、ときおり屋外に浮かべるといったことも可能です(リボン・シティに本当に浮かぶ雲というのが、本作品の出発点でした)。
穴があいたりした場合にはテープやボンド等で簡単にメンテナンスでき、ほとんど半永久的に展示可能です。また、つくり直す(RE・BORN)ことや、たくさんつくること、あるいはちがった形の雲をつくることももちろん可能です。リボン・シティでのイベントなどのおりに、この雲がいつもとはちがう場所に現われたりすると、とてもおもしろいのではなどと思いながらプランをつくりました。
雲を下からつなぎとめている石には、荒川の石を使用する予定です。
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