dating
"dating; May 2003"
毎日、飲んだコーヒーの豆を乾かし、日付をつけてビニールの袋に入れたもの
コーヒーは、生活の中にある種独特のかたちで入り込んでいる。それは飲み物であり、香りであり、色であり、何かわくわくするような不思議なものであると同時に、クールな静けさをともなっている。 コーヒーをいれる作業は儀式に似ている。コーヒー豆に対する儀礼的なしぐさ。そしてそれは私が何かをつくる時間、あるいは私という時間と深くかかわっている。それは「これ」と提示することができないので、私はかわりにそれらの豆を示そうと思う。 上は5月における私の時間を表わしている。つまり、03年の5月に私がいれたコーヒーである。毎日乾かしては袋に入れ、それをまた箱に入れ、それがひと月分たまり、白い石膏塗りしたパネルの上に並べてみると、しかしどんな物語も必要ないほどにそれは美しく見える。いや、どうだろう。
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