門脇篤 in 中本誠司現代美術館 2004/3/18thu-24wed |
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中本氏の作品をひと口で表現するなら、表現スタイルの自由さ、と言うことができるかと思います。氏は、ほとんど考えられる限りどのような素材をも厭うことなく用い、ありとあらゆる表現技法をもってその作品を制作しつづけました。その「節操のなさ」は、逆説的ではありますが、破壊的であるとともに、それだけ創造的で、今なお比類のない活力とスケール感を放ちつづけています。 私はそうしたスタイルの自由さにならい、自らの作品を見直していきたいと思います。平面としては、枯れ野に主題をとったテンペラ画を展示。写実的な風景画のほか、ドリッピングの手法で描かれた中本作品とともに、それと同サイズで、風を可視化するような風情のすすきの葉を抽象化したものを並置します。また、立体としては、あらあらしいチェーンソーの跡が印象的な木彫による中本作品とともに、私の山や海で拾った板や丸太などを、そのままあるいは鏡像としてコピーした彫刻作品などを並置します。 また、昨年来、私はさまざまな場所に毛糸を結ぶプロジェクトを行っており、仙台市郊外の山や海のほか、仙台市中心部のアーケード街でも数回にわたって大規模な展示を行いましたが、その一環として、期間中、この中本氏がみずから手がけたスペインの城を思わせる白亜の美術館を、毛糸で結ぶパフォーマンスを行っていきたいと思います。毛糸は、展示を見に訪れた方にも延長していただく予定です。 なお、美術館から歩いて数分のところには、100haをこえる広大な自然公園「水の森公園」があります。この立地条件をいかし、期間中に公園内で仮設アートの制作・展示も企画しています。どうぞご高覧くださいますよう、よろしくお願いいたします。 |
〜中本誠司現代美術館〜 ※当美術館は、04年1月より中本誠司個人美術館から中本誠司現代美術館にかわりました。 仙台市青葉区東勝山2-20-15 |
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美術館内部(展示はすべて中本作品) |
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