電線をながめる
〜原風景としてのライン〜


毛糸を使ったインスタレーションをつくっていて、さまざまな場所にそれを設置するプランを考えながら、しかしある時すでにそれが大規模に日本国中をおおっていることにきづく。
電線――その描く曲線は、私が毛糸を使って表現しているものと、形態としてはほとんど同じものだといえる。重力の描く何よりもみごとなカーブと、他のラインと接触することなく、もっとも効果的な美しさをもって複数の点に関係性をもたせる手法。
電線が、単なる送電の手段というだけでなく、あたかも人の手がそこまで届いているという「ぬくもり」や、そこまで手をのばしたという「栄誉」をも含意していた、といった話を耳にしたことがある。
そしてそれは何より、私の少年時代と常にともにあった。むろん、決して肯定的なイメージとはいえないそれ。
しかしその、不思議にしっくりとくる感覚。

写真は、重たい雪の降った自宅付近の電線のようす。
写真を見せると天然な妻は、「危ないから気をつけてやってね」と言った。私のつくったものだと思ったらしい。

毛糸のインスタレーション

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